カカオとは
芳醇な香りが幸福感を誘います。
カカオは多くの人に愛されているチョコレートの原料です。かつては「神々の食べ物」といわれるほど栄養価が高く、貴族やお金持ちだけの貴重な食べものでした。カカオの木はアオイ科の常緑樹で、果実は長さ15〜30cm直径8〜10cmで幹になります。この果実はカカオポッドと呼ばれ、その中に20から50個ほどのカカオ豆が入っています。カカオニブとはこのカカオ豆の殻を取り除き、醗酵させフレーク状にしたもの。カカオパウダーはカカオニブをさらに細かく粉状にしたものです。それらは処理の工程が少なく、カカオの栄養価と香りをそのままいただくことができます。チョコレートの長所を持ちながらも、糖分や脂肪分など余分なものを含まないことでも注目されています。カカオはマヤ文明の時代から神秘の力で人々の注目を集めてきました。
■現在栽培されているカカオの3品種について
■フォラステロ種成長が早く耐病性に優れるなど栽培しやすため、西アフリカと東南アジアで多く生産されています。果実は黄色で苦味が強い。
■クリオロ種
ベネズエラ、メキシコなどで僅かに生産されています。独特の香りから、フレーバービーンズとされています。病害虫に弱く大規模栽培に不向きなことから、希少種です。果実は赤や黄色で、苦味が少ない。
■トリニタリオ種
ベネズエラ、トリニダード・トバゴなど中南米で栽培されています。 フォラステロ種とクリオロ種を交配したハイブリッド種で、トリニダード島で育種に成功したことから命名されました。栽培が容易で品質も優れています。
カカオの栄養素
ポリフェノールの他、各種ビタミン、ミネラル、脂質、食物繊維を含んでいます。
カカオには、食物繊維、ポリフェノール、ビタミンＥをはじめとするビタミン類、カルシウムや鉄分、マグネシウム、亜鉛などのミネラル、オレイン酸などの脂質など、栄養素がぎっしりつまった非常に優秀なスーパーフードです。一番の特徴はポリフェノールが多いこと。フラバノールをはじめ、様々なポリフェノールが含まれており、高い抗酸化作用が期待できます。さらにリフレッシュ効果があるとも言われています。◎ポリフェノールとは
ポリフェノールは植物が光合成を行う際に作られる物質で、植物がもつ苦味や渋味、色素の成分です。ブドウの皮に含まれる色素成分、お茶などに含まれる苦味や渋味、アクなどの成分を総称してポリフェノールと呼びます。ポリフェノールは、虫や紫外線によって発生する活性酸素を無毒化する働きを持っており、植物が自らの身を守るための生体防御物質としての役割も担っています。◎カカオに含まれるテオブロミンとフェニルエチルアミン
カカオにはテオブロミンとフェニルエチルアミンという他のスーパーフードにはない成分が含まれています。テオブロミンは、ほぼカカオだけに含まれる天然成分で、その主な働きは脳を活性化し、集中力や記憶力を高める他、リラックス効果、ダイエット効果があるとも言われています。またフェニルエチルアミン（PEA）は脳内物質と同じ成分で、神経回路を経て、快楽物質であるドーパミンの放出を促し、活力の源となると同時に、恋愛をした時のような幸福感をもたらしてくれます。■カカオの期待できる効果
カカオに期待できる効果は沢山ありますが、脳の老化を防ぐ機能を保つ食品(ブレインフード)としても話題になっています。◎アンチエイジング効果 ◎リラックス効果 ◎美肌効果
◎便秘の改善 ◎生活習慣病の予防効果 ◎脳の活性化
カカオの食べ方
カカオニブ、パウダーをいつものお料理にプラス。
チョコレートでおなじみの香りと苦味を生かしましょう◎シリアルやヨーグルト、アイスクリームに加える。
◎スムージーに加える(バナナやアーモンドミルクと相性が良い)
◎クッキー・ケーキなどの生地に混ぜる
◎ナッツの代わりにサラダなどのトッピングに
カカオを選ぶポイント
産地や品種によって味も香りも様々。
カカオは製品化する過程で香りや質が変わってきます。スーパーフードの力を存分に得るために信頼のおけるメーカーのものを選びましょう。カカオ摂取の注意点
まとめて食べても意味がない。毎日継続的に。 カカオに含まれるポリフェノールの抗酸化作用は持続時間がそれほど長くありません。体外に尿とともに排出されてしまいますので、まとめて摂っても意味がないのです。カカオの恵みを存分に生かすためには、少量ずつ毎日継続して摂ることが大切です。苦味や香りが苦手な方は少量から始めて様子をみましょう。また、持病をお持ちの方、お薬を服用している方は、医師に相談の上、摂取いただくことをオススメしています。
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